菅原の道じゃね?それ道なんじゃね?
「僕もう象レンジャー辞めたいんですけど」
先週の日曜、事務所に出向いてそうはっきり言ったんです。
あ、あの事務所っていうのは干支レンジャーの秘密基地のことです。世田谷にあります。
隊長の吉原君、あ、タイガーンジャーのことなんですけど、彼しかいなくてどうしようかなって思ったんですけど思い切って言いました。
そしたら「え?なんで?俺が縞模様だから?」とかなんとか言いながら生肉を引っ張りちぎりつつ近づいてきたんでこれはもうダメかも知れないなんて覚悟したんですけどこうなったらもう野となれ山となれってなもんで
「縞模様とかじゃなくてですね、あのやっぱり大学と両立は難しいというか」
「や、大学とかはいいじゃん、象なんだし行かなくて」
「象ではないですよ〜象では。僕人間ですし」
「そうかなあ、象だと思うよ、遠目で見たら区別つかんもん」
「や〜象は無いでしょう、いくら遠めでも象は」
「でもさ、ほら象いなくなったら干支レンジャーじゃなくなっちゃうわけだし。君だけの問題じゃなくなってくるし」
自分だけの体じゃないみたいな言われ方をされるとやっぱりこう自責の念とかは出てきましたよね、ええ。
でも大学は出ておきたいし、親にいままで迷惑かけたんで。「奥さん!見たわよ〜おたくの息子さん!ダンボマン!」
そういわれて、顔を真っ赤にして「象レンジャーですッ!」って弁明する母をもう見たくないんです。
「そっかーまあしょうがないけどさ、でもそうなるとあとはちくわレンジャーしか残ってないけど」
「や〜、ちくわは無いでしょう、もう干支ですらないし」
「ちくわの話はまあ後にしてもさ、インド象レンジャーが悲しむと思うよ、うん」
そこなんですよ、まず。
なんで象タイプが2人も、なのか。そこも辞めるにあたっての決定打になりましたね。
大体、インド象レンジャーだけでも十分に強いんですよ、なんか説明不可解な神的な存在ですし、キリスト?みたいな。
僕も見たこと無いですし、顔。
だからまあ、僕はいてもいなくてもいいんじゃないか、と思ってっていうのが正直なところですよね。
で、だいぶ説得されたんですけど、今は辞めてよかったな、って思ってます。象も干支じゃないっていうのがわかりましたし。はい、ええこちらこそありがとうございました。