古マンガ

年を重ねて怖くなるものがあるのます。
克服できるものと同じくらい新しい恐怖の対象が増えていく。
昔はただ単純に雨の日の墓場だとか、誰もいない家だとかに恐怖を覚えた。それは原始的で、年をとるごとに墓場がただの石で出来た四角だったり、家に誰もいないほうが好都合だったりして知らず知らずのうちに恐怖は薄れていった。
引き換えに、説明し得ない恐怖に身を震わせる事になった。
例えば深く響く唸り声が怖い。
兎とかが突然「グモー」といったりする。
夜中に突然唸りだす冷蔵庫。
その瞬間に冷蔵庫は四角い悪魔となり、兎は恐怖のモフモフへと変貌する。

曲がりくねったデカイ物が怖い。
質感が柔らかそうだったりすると恐怖は2倍増。
とぐろを巻く大蛇や、ゴム製の巨大チューブの曲がった部分の皺。
そこからは確実に毒素が出ていると思い込み悩み、地面を転げまわる。
その(ローリング自分の)風景を想像すると更に怖い。

恐怖の対象となるものはそこら中にあって、ひとつ鍵をあけるだけで自分の周りに異質な闇を作る事ができる。
永遠に増産される恐怖に身悶えなくてすむ日は一体いつの日の事なのか。



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いままで見た中で一番怖い。

いやあのクジラの写真なんですけど、しかも遊具(?)なんですけど、でもね、怖い。
元々恐ろしいクジラをなんでこんな風にするのか。オクラホマの人の考える事はわからない。
よくみると胴体のほうは水に浸かってるんですよ。怖さ倍増。
上野のクジラオブジェもほとほと怖いですが、こっちを子供のころから見てるアメリカの子供はトラウマ必至でしょう。
目が怖い、目が。

土曜日は川崎まで古本を物色しにいってきました。

炎天下ではないですがモッタリと暑い中ノ島をウロウロしつつ、川原泉を探したんですが発見できず。他のなんとかブレーメンはあったんですけども買いませんでした、なんとなく。

いくつか興味深いのがあったので購入。

・「A SCENE」「B SCENE」/武富智

YJで連載してたっぽい一話読みきり物。
福島聡とか浅野 いにおに近い。けどちょっと物足りないというか。
A収録のワッフルバニーは珠玉ですが。


・思い出してしまうこと/画/イッセー 尾形 原作/太田 博

こっちも一話読みきり。
記者、太田博の湘南を舞台にした少年ものをイッセーがマンガとして。
イッセー尾形のヘロヘロっぽいのに版画の巨匠をも髣髴とさせる絵がすごい。
ストーリーもノスタルジックでほんわかしてる。

で、例の如く師匠宅で夕飯をご馳走になり、結婚祝いということで"ドロンちび丸/杉浦茂 まで頂き帰宅。
そんな土曜日でした。