元・飛脚くんのネタ

突然の手紙に驚いているとは思うが許して欲しい。
私もまさか、30年も前に離婚した女房に再び手紙を書くことになるとは夢にも思わなかったよ。
お前がマリアを連れて私の元を離れていったときに私は悟るべきだったのだ。どんな事をしてでもお前を行かせてはならなかった、あの島へは。
いや、誤解しないで欲しいが、こんな事を言う為に手紙を出したわけではないんだ。
実はその"島"についてお前に報告したいことと訊きたいことがある。

24日の火曜日のことだ。
私はいつものように(お前と離婚する前もそしてした後も)タイハンストリートの"シマシマ模様の濡れ雑巾亭"に酒を飲みに行った(お前が"まるで北キツネを呼んでいそうな顔した"といったマスターがいる)。
化石みたいな硬いスツールで2杯目のオレンジジュースのグァバジュース割りを飲み干したところで後ろのビリヤードテーブルがやけに騒がしいのに気づいた。
どうやらそれは一人の若者らしかったんだが、そいつはおかしなことに"ひとりで"騒いでいた。
さらにおかしなことには、そいつ自身が騒いでいるわけではなく、騒音はそいつのぶら下げてるラジカセのスピーカーから流れ出していたのだ(ワーワー言う声や"こっち大ライスね!”というような声)。どうやらそれは旧式のsony製らしかった。
若い男はとても健康そうに見えたし、そして何より笑っていた。その笑いには疑うところなんてないような気がした。
つまるところ、資材置き場で大暴れしたり、土曜日の夜に髪の毛を逆立てて雄たけびをあげるような輩には見えなかったということだ。

だが、悲しい事に目の前にいるのはきっとそういった類の人間なんだろうし、私はお前も良く知っているように"保守的"だ。
関わらないほうが身のためだと十分知っていたさ。
だが神様はやはり面白い事が好きらしい。

男は私の座るスツールの隣にどっかりと腰を下ろしこういった「よう!相棒、今日はいい天気だな!オレの名前はエイトボールお前は?」
ああ!お前にもわかるだろう、私がどれだけ怯えていたかが。
硬直した私の身体を無理やり椅子から引き剥がしエイトボール(あだ名だそうだ)は私にこともあろうかブレイクショットを打てと言い出したのだ。
「ははは、神様、この若造はどうやら本当の盲目らしい」
心の中でそう呟いたよ。
まだ私が"サンダームーニ"と呼ばれていた40年前は、ちょっとは知れたハスラーだったからな。

キューを握り、狙いを定める。もう震えは止まっていた。
そして・・・

まだ私は自分では二十歳の頃のような気持ちでいたがすっかり身体は60歳の老人そのものになってしまったのだな。
私が打ったボールは見事、若者の顔面に命中していたよ。

だが驚いたことに若者はボールをめり込ませたまま「ナイス!なかなかスジがいい」と言い出したんだが、私はショックで何も耳に入らなかったな。





本危(オカルト板"本当に危ないところを見つけてしまった・・・スレ"の略?)を知らない方を無視するようで申し訳ないんですが、独り言だと思って勘弁していただきたいのす。

ガッチリ寝ようと思ってたら、リンク先から辿りついた「本危まとめサイト」を最後まで読んでしまいました。
有名っぽいのでもう既にご存知の方も多いかと思いますが。
2(セカンド)ちゃんねるでオカルトスレを見るのが久しくなった今、あの展開は正直最後までワクワクしながら見てしまいました。すげえなぁ。
特に17歳さんと関西氏はもうキャラとして素晴らしすぎました。特に17歳さんが突撃申請をゴンゴンするところに胸が熱くなりましたよ。飄々とした関西氏もカッコ良かった。
あれが全て1人が演じたネタだったらとかはどうでもよくって、奇跡的な流れに引き込まれちまいました。

とか夜中にいい30歳がこんなこと熱く書いていていいのか?とも思いましたが、いいんです。オカルト大好きヒゲ男ですから。