シネマる

最近、わりと映画をみます。

で、そんな中でも気に入ったのをいくつか。

マンダレイ

ラース・フォントリア監督の3部作の2作目。
ドッグヴィルからなんとなく逃げ出せたグレースとギャングたちが、道行く途中で、マンダレイという農場にたどり着く。
このマンダレイが未だに奴隷制度をしき黒人を支配していたことで
またしてもグレースの謎の正義感が発動。
「人間みんな平等!でも奴隷を作った白人は許せない(自分も白人)」
とかなんとか言いながら、農場の主に対してこの間の阪神VS中日でのブラゼルも真っ青の猛抗議。
そのおかげか老衰か、件の農場主は亡くなり、グレースは黒人たちに「あんたら自由!これから自由を満喫して!」とか勝手なことを言い出し、しまいには学級委員のように、今後の黒人たちの生活を仕切る始末。
そうして、自由を勝ち取った元奴隷の黒人(やる気なし)とグレースは理想郷を目指して奮闘するが・・・

1作目のドッグヴィルも皮肉のきいたブラックユーモア(だと勝手に解釈してるんですが)で素晴らしかったんですが、2作目のコレもビックリするくらいシニカル。書割だけの舞台ももちろん健在。
まず、何が良かったかというと主人公の父親役の(僕らの)ウィレムデフォーがビックリするくらいプラトーンしている。
プラトーンしている、とはすなわち「気持ち悪いけどカッコいい」ってことです。
あのサレコウベみたいな顔で片頬だけで笑うのがビックリするほどカッコいい。
グレースがニコールキッドマンからレディインザウォーターで謎の美女を演じていた人に代わったんですが、以外と良かった。演技うまい。
で、ドッグヴィルの時もそうでしたが、脇を固める俳優人がナイス。
元奴隷の中で唯一、グレースにアドバイスをする黒人にリーサルウェポンシリーズのダニーグローバー
プライドが高く、グレースになにかと反発する黒人にイザック・ド・バンコレ(コーヒーアンドシガレッツの移民の役が素晴らしかった)。
全体的に大げさでもなく、人間の心のねじれとか独りよがりな正義感とかを前作同様、淡々と映し出しています。
3部目が非常に気になる良い映画でした。

ではっ