スパークリングほうじ茶

会社帰りの遊歩道にて、鬱蒼と生い茂る草むらに蠢く何かを発見。
最初は少し大きめのバッタかな?と思っていたんですが、すれ違いざまにそれが人間(小太り)だと判明しました。
僕が観察していることに気づいたのか、巨大バッタもとい小太り氏はスックと草むらから立ち上がりました。
そして身の丈、173cmはあろうかという体躯をビシッと伸ばして、かぶっていたスゥエード地の帽子を物凄い速さで脱ぐと、僕に向かってうやうやしく一礼してから「ここに落し物をした気がして!」
と叫びました。
どうしようもないので、若干真剣な表情で立ち尽くしていましたらば、彼は、帽子を被りなおしふたたび僕に一礼したあと足早に(西友方面へ)去っていきました。

小さくなっていく小太りを見送った後、彼がしゃがみ込んでいた件の場所を見てみると、何かアニメのキャラクター(セーラームーン的な)のシールが一面に散らばっていました。
「それはきっと彼が自ずから落としたであろう何かの証であって、僕のようなただの肉好きビリヤード弱いマンが気安く立ち入れるものではない」と判断し、彼が去った方向とは反対方向(であり更には自宅とも)に僕は歩き出したのでありました。
そのせいで帰宅が15分遅れた。どうしてくれるあの小太りめ。
そんな夕焼けの綺麗な水曜日でした(終始、両目をいたずら子猿にふさがれていたため夕焼けなんて見えてない)。

ではっ!