新巻鮭 de HIPHOP

ゾウ「メグライアンって最近見ないよね」

そういった瞬間にゴリラが浮き足立ったのは言うまでもない。
だが、浮き足立ったからといっても、それはゴリラの精神的な部分を表す言葉であって、割としっかりと両の足は地面に接していたし、バナナもしっかりと握ってはいた。
さて、なぜゴリラ(300kg)が浮き足立ったか?
おおよそ2メートル離れた檻で生肉を啄ばんでいた白頭鷲は後にこう回想する。
「なぜならゴリラがメグライアンの化身だというのは、この動物園では周知の事実だったからだ」

なぜメグがゴリラであったか?そしてゴリラがなぜメグになったのか?メイフィールド在住のフォレストガンピストのトムはこう語る。

「バナナが好きすぎたんだ。それは彼女にも、もちろんゴリラにもどうしようもないことさ」

ゴリラはメグのことなどすっかり忘れ餌に夢中なゾウに近づきバナナをその鼻に握らせる。
「ユーガッタメイル」
そういって笑ったゴリラの顔は全盛期のメグそのものであった。