兄伝

どうもこんにちは、エリンギってスェーデンの田舎娘の名前みたいだよね、とスェーデンの田舎娘に言ったら、「お前は顔がブナシメジみたいだけどな」と言い返された男こと私ことワイことKGB(汚いゲームボーイ)ことワラワことMEです。
すっごい長い上に内容が無い前口上ですが、なんだよブナシメジみたいな顔って。

さて、そんなわけで今回は兄の話をしてみたいと思います。
以前からちょくちょくとお話してきましたが、兄について一言で表すとすれば、「でかいカブトムシ」です。
見た目ですけども。
で、その兄が中学の頃の話なんですが、彼はいわゆるひとつのヤンキーとカテゴライズされる人でした。
おりしも時代も時代ですから、わりと周りにはそういう感じの人が多かったんですが
ひとたび、物陰、階段下、向いのホーム、路地裏の窓、そんなとこにいるはずもないのに(パクリ)、天パーの進化系リーゼントヘアーに、謎のジャージーといういでたち(兄)をチラとも見かけようものなら、私はまるで山本小鉄の車のエンジン音に恐怖する前田日明よろしくガタガタ震えていたものです。
そんな兄(都会に行くときはムース使用)でしたが、ケルナグールばかりのブン殴り人生ばかりでなく優しい一面も持ち合わせていました。
例えば、夕食のおかずをそっと僕の更に入れてくれる(主にピーマンなど)。眠れない僕のために、掛け布団を顔におしつけて眠らせてくれる(ゲラゲラ笑いながら)。
このように一歩間違えば安眠どころか永眠してしまう恐れもありましたが、兄は「優しさと危険は表裏一体」なのだということを当時の僕に教えてくれたんだと思います。
しかし、この優しさが裏目に出たケースがありました。
いつものように、眠っている僕に布団を押し付ける兄(息吸えなくマシーンという技名でした)。
ゲラゲラ笑いながら静かになった布団をはいで見ると、まったく知らぬ顔が瀕死寸前で青くなっていました。
そう、彼は僕の友人でした。
兄も青ざめ、別の部屋で寝ていた僕を蹴っ飛ばし「おい!なんでおめえじゃねえんぞや!?」と暴れました。まるで鬼神。子をとられた鬼子母神です。
寝ぼけ眼でモグモグいう僕に肩パンチを食らわせ部屋を出て行く兄を僕は見送るしかありませんでした。
僕が、顔面蒼白マシーンで布団に転がっている友人を発見するのはそれから一時間後でした。
Y田君、あれは「波に飲まれる夢」じゃなくて兄貴のしわざだったんだよ、ごめんね。
と、この場を借りてお詫び申し上げます。かしこ。