入梅

してたのね、知らなかった。

今日は会社休みで病院へ。
雨降りというだけでげんなりなのに、道すがらなんか変なものを踏んだ。
「なんだ?」と足の下を見てみると空のマヨネーズ容器。
なんでそんなものが…と思いつつ、グニュって感触で遠い昔、中学生のころにもこんな雨の日に奇妙なものを踏んだことを思い出した。

それは台風が過ぎ去った翌朝、なぜかその日はいつもと違う、深い竹林に面したアスファルトの道を不機嫌に歩いていた。
グニャリ
嫌な感触だった。
すぐさま足をあげ、一瞬、何事かわからずソレをみつめた。

タコの足だった

10センチほどのタコの足が朝露にぬれたアスファルトの上に転がっていた。
「なんで?」
思わずそう口に出して立ちすくんでいると
そのタコの足がウニョウニョと動き出した。
そして呆然とみつめる俺を尻目に、竹林の中へ消えていった。
タコの足がひとりでに歩いて(というのか?)。

クラスのみんなにこのことを言ったが誰にも信じてもらえなかった。当然だ。
たぶんその後、「あれは夢だったのか」とか納得していたのだろう。

そしてすっかり忘れていたその事をグニョリとした感触で思い出した。
あれは一体何だったのだろうか?
今でも謎だ。