ガイガイヤーン

そうっすね。

確か20歳のころだったと思うんですけど、1ヶ月くらい何もせずに部屋でゴロゴロしてた時期があります。
ちょうど今時期くらいの真夏だったんですが、ある日突然、「明日からうゴロゴロしたほうがいいんじゃない?」と神様からの啓示にも似た言葉が降ってきたのです。
膳は急げとばかり、翌日、すぐさまバイト先(掃除夫)に電話をかけまして「もうやめます」と申し出たところ「え?まだいたの」みたいな事を言われたのでかなり頭にきたことを覚えています(愛は覚えていません)。
で、晴れて自由の身となりさっそくゴロゴロしだしたんですが、あの時は本当にゴロゴロしてましたね。
はっきりいって、ご飯食べるときと便所に行く以外は部屋でゴロゴロしてました。
最初の何日かはまあ快適でした。
ですがゴロゴロしながら何かするわけではなく、単にベッドらしきものに横たわってただけなので、これが以外と暇。
ゴロゴロ道として、自由の中にも秩序を!をモットーに掲げていたため、ゲームをするとか本読んだりとか娯楽を一切排除したのが間違いでした。
1週間もしたら苦痛だけが友達になりましたが、なんとか1ヶ月耐え抜き、外に出たときのすがすがしさといったら!
ああ、自由はこんな近くにあったんだ、と町の匂いを吸い込みながら涙しそうになりました。
そして、すぐさま以前のバイト先へ休職からの復帰を伝えましたがもちろん返事はNOでした。

こんな体験をした僕から皆さんに言いたいことは、「1ヶ月同じTシャツを着ていると首のとこダルダルになる」ということです。
皆さんも気をつけて!

ではっ!







「おいちょっと待てや!」

私がいつもどおり、近所を散歩していると髪の毛が金色の物騒な少年に声をかけられた。

「お前、人にぶつかっといて挨拶なしかよ!?」

皆さんご存知の通り、私はテングだ。なので普段は宙に浮いているわけだが、今日もごたぶんに漏れず地上1メーターほどのところを浮きながら移動していたのだが、どうやら手に持っていた扇子が少年の顔に当たってしまったらしい。
だが私はテングなのでそんなことはおかまいなしに
「何ぶつくさ言ってんのよ!?いいからちっと降りてこいや!」

どうやらこの人間の少年はかなり気が荒い性質のようだ。
面倒なことになるまえに私の力を思い知らせてやろう
「よーし、まあここじゃなんだから、ちっと裏行くべや?なあ?」

少年に無理やり肩を組まれてしまった。意外とパワーがある。
ちなみに裏というと、我々の世界で言うところのこの世界が裏にあたるわけだが、この場合は少年からみて裏、つまり我々の種族が住まう世界ということに
「おい!てめえ、人の話きいてんのかつってんだよ!?生意気に赤い顔しやがってよ」

おっと、どうやら私の正体に気付いてしまったらしい。ふふふ、哀れな人間の子よ、後悔してももう
「あ!?なにこれ、なんでこんなに鼻なげえんだよ?おめえさては俺のことナメてんべ!?」
え?いや、ここまできて気付かない?それってちょっと鈍感すぎやしませんかね?「赤い顔」「長い鼻」=テング=超コワイでしょ、ふつう
「ははあん、さてはお前、ビビってんべ?俺に。泣く前ってだいたい顔あけえし、赤ちゃんとか?」

鼻は!鼻についてもっと言及して!ああー!鼻を掴むな!痛くはないけど、ほんのり切ないから!
「つーかよ、お前、金もってんだろ?扇子なんか持ってるしよ?100億くらい持ってんだろーよ!?財布だせや!」
よくわかんない理論かざしはじめましたよ、この人!
もー面倒くさい!殺す!いますぐ殺す!とりあえず財布出してから殺す!
「あれ?なにお前、寛永生まれ?つーことは先輩?まじっすか!全然みえないっすよ!すっげ若い!」

ころ・・・え?そうですかね?若いかなあ、まあまだまだ自分じゃ現役だと思ってるっすからね。
「したらなんかスンマセンでした!俺、ちょっと西友寄ってから帰りますんで!あざーっす!」
あ、ちょっと待って、もう少し話をだね。あー行っちゃったよ。
友達になれると思ったのになあ。
あ!あいつ財布もってきやがった!やっぱり殺す!