ポカリーヌ3時間クッキング

「ここで、お野菜をお鍋に入れるんですね、先生」
「はい、入れるんですね。ですがそれはお鍋ではなくて鍋感の強いお帽子ですね」
「お野菜が全く入りませんね、このお鍋は」
「お帽子ですからね、私の」
「人参一本すら入りませんね」
「それは人参と書かれた高層ビルだからですね」
「とんでもなく使えないお鍋ですね、では代わりにお肉をいれます」
「お鍋ではなく私のお帽子だからですね、それは」
「お肉はひき肉2グラム、塩2キロです」
「そんなレシピはありませんね。しかも入れているのはキョロちゃん人形ですね」
「先生、見てください!塩にまみれた、おキョロちゃんです」
「あなたが咄嗟にサングラスをかけさせるから何も見えませんね」
「そして、これを「弱火!」と叫んでから地面に叩きつけ3分待てば出来上がりですね」
「暗闇に私のお帽子のような何かが焦げる匂いがしますね」
「不吉ですね、ちなみに燃えすぎて何がなんだかわからなくなりました」
「そのお帽子は伊勢丹で購入したんですね、死んだ父からのプレゼントでした」
「うっせえな、料理中だぞ。さて先生、できあがったお料理がこちらです」
「なにやらメルトダウンという言葉が連想される匂いがしてきました」
「美味しそうですね、先生」
「真っ暗で何も見えませんし、身動きもとれません」
「今日は、先生のお帽子メタメタ焼きでした、ではまた明日のこの時間に」
「ふーん、わざと?」

ではっ