ごわす

休日勤務。僕以外に誰もいないので歌を唄ってたんだ。心の底から冷えきって、いまにも泣いてしまいそうだったけれど。慟哭の代わりに、声が明日出なくなっても今唄わなきゃいけなかったんだ、自作の歌を。ハア〜、テレビもねぇ!両足ねぇ!車もそれほど車じゃねぇ!バーもねぇ!バーもねぇ!両足ねぇからバー行けねぇ!オラ、オララララオララ〜オラ、オララララオララ〜♪京急〜蒲田〜♪僕の魂の叫びは、実はトイレに立っていただけだった部長のツルピカ頭に跳ね返って、静寂の部内にこだまして、消えた。僕はもう、唄えない。闇の向こうに魂も声も吸い込まれてしまったから。ではっ